Love poem 追憶:美しい私の桃へ

この歌のもつ意味があまりにも。

スングァンを好きになってからこの歌をカバーしているのを知って、私はしばらく聴くのをスキップしていました。

2020年の秋ごろから、スングァンがK-POP教授として話題になり始めました。同じころ、私はVLIVEのアーカイブを探っていて、昔の配信で2008〜2012年頃のK-POPについて興奮しながら熱く語るスングァンを知ります。
それは、私がK-POPに夢中になっていた時期とちょうどかぶります。年代は関係なく、きっとこの4年が本当にK-POPの黄金期だったのでしょう(のちに文明特急でもK-POPオリンピックを開催していましたね。スングァンとジェジェチョイスの楽曲が偏りすぎてて弱いのがウケました)。
それまで忘れていた、あのときK-POPに夢中だった気持ち、あの時代のカオス感、それが生む情熱、色々なものをスングァンが思い出させてくれました。
そして彼が本当に、心からK-POPを愛しているのだということもわかりました。

だからこの歌を彼がカバーするということは、彼がK-POPを愛するからこそなのだ、ということが理解できたのです。

2019年10月14日。もう2年が経ちました。コロナで生活が変わったころ、「そるりは世界がこうなったのも知らないで行ってしまったんだなあ」とぼんやり考えたのを思い出します。
2年前、あいゆは11月1日にリリース予定だったアルバムを、11月18日に延期しました。でも、11月1日にこの「Love poem」を先行公開しました。そるりとあいゆの仲の良さが、単純な芸能人仲間の域を超えていたことは、K-POPファンだったら誰でも知っていると思います。

そるりの決断は、あまりにも驚いて、悲しかった。今でも悲しい。私は外国人だから、彼女を頻繁に見かけることもないし、ましてや生で見たことも一度しかなく、f(x)をやめてからInstagramを通して見る彼女は、誰が見てもきっと精神的に安定した状態でないことはわかったし、でもそれを誰も良い形で止めることは出来なかった。

そるりはたびたび話題になりました。良くないことが多かったです。そるりはそるり(もしくはジンリ)として生きてるだけなのに、f(x)のSulli・SM出身のアイドルとしてのSulliや、女性芸能人・インフルエンサーとしてのSulliというフィルターを通して、彼女の言動を揶揄するものがとても多かった。そして私もその一人でした。f(x)のファンであり、フェミニストとしてのそるりのアプローチに賛同し、応援していたけれど、所詮ネタ消費の枠を超えられなかった。それが今一番の後悔です。

こんな言い方したくないけれど、そるりは本当に美しすぎたんだと思います。今見ても鳥肌が立つ時があります。

そるりがもうこの世にいないんだ、あの美しく綺麗な体は焼かれ、あのかわいらしい声を聞くことももう二度とできないんだ、美しい私のそるりがどんな風に老いて、ずっと素敵になっていくのかを見ることができないんだ、と思うと、心の中に大きく空いた穴が、どこまでも深く深くなっていく感覚があります。それは、カーオーディオからジョンヒョンの声が聞こえてきたときにも同じように。

その穴が、ふさがることはきっと一生無いけれど、あいゆの歌が、スングァンの歌が、歌への愛が、これ以上穴が深く広くなっていくのをふせいでくれているんだ、と感じます。歌ってこういうものなんだ、ありがたいなあ、と感謝の念に堪えません。

下記はあいゆがLove poemリリースに向けて出したコメントです。

인간의 이타성이란 그것마저도 이기적인 토대 위에 있다.
사랑하는 사람이 홀로 고립되어 가는 모습을 보는 것은 힘든 일이다.
아무것도 해 주지 못하고 지켜보기만 하는 것이 괴로워 재촉하듯 건넸던 응원과 위로의 말들을, 온전히 상대를 위해 한 일이라고 착각하곤 했다.
나는 여전히 누군가 내 사람이 힘들어하는 모습을 보면 참견을 잘 참지 못한다.
하지만 이제는 나의 그런 행동들이 온전히 상대만을 위한 배려나 위로가 아닌 그 사람의 평온한 일상을 보고 싶은 나의 간절한 부탁이라는 것을 안다.
염치 없이 부탁하는 입장이니 아주 최소한의 것들만 바라기로 한다.
이 시를 들어 달라는 것, 그리고 숨을 쉬어 달라는 것.
누군가의 인생을 평생 업고 갈 수 있는 타인은 없다.
하지만 방향이 맞으면 얼마든 함께 걸을 수는 있다.
또 배운 게 도둑질이라, 나는 나의 사랑하는 사람들에게 얼마든 노래를 불러 줄 수 있다.
내가 음악을 하면서 세상에게 받았던 많은 시들처럼 나도 진심 어린 시들을 부지런히 쓸 것이다.
그렇게 차례대로 서로의 시를 들어 주면서, 크고 작은 숨을 쉬면서, 살았으면 좋겠다.

人間の利他性とは、それさえも利己的な土台の上にある。
愛する人がひとりで孤立していく姿を、見ていることしかできないのはつらいことだ。
何もせず、見守るだけでいるのは難しく、せき立てるようにかけた励ましと慰めの言葉を、まったくもって相手のためにしたことだと勘違いをしていた。
それでも私は相も変わらず、愛する人がつらそうにしている姿を見たら、口を出さずにはいられない。
だけど今は私のそんな行動が、相手のためだけの思いやりや慰めではなく、その人の穏やかな人生を見たいという私の切実な願いだということを知っている。
図々しくお願いをする立場だから、あくまで最小限のことだけ望むことにする。
この詩を聴いてほしいということ、そして息をしてほしいということ。
誰かの人生を一生背負っていくことは他人にはできない。
だけど方向さえ合っていれば、いくらでも一緒に歩くことができる。
そして学んで気付いたことは、私は私の愛する人たちにいくらでも歌を歌ってあげることができるということ。
私が音楽をやりながら、世界にもらったたくさんの詩のように、私も心からこつこつと詩を書いていくつもりだ。
そうやってお互いの詩を聴きながら、大きくても小さくてもいいので息をして、生きてくれるといい。



韓国語勉強中です
あくまで自分で楽曲解釈を深めるための和訳なので、意訳が多いです

▼ 歌詞原文(引用)

▼ カナルビ

▼ 和訳歌詞

▼ 歌詞原文(引用)
▼ カナルビ
▼ 和訳歌詞

누구를 위해 누군가
기도하고 있나 봐
숨죽여 쓴 사랑시가
낮게 들리는 듯해

ぬぐるる うぃへ ぬぐんが
きどはご いんな ぶぁ
すんじゅぎょ すん さらんしが
なっげ どぅりぬん どぅって

誰かのために誰かが
祈っているみたいだ
息を殺して書いた愛の詩が
かすかに聞こえてくる感じがして

너에게로
선명히 날아가
늦지 않게
자리에 닿기를

のえげろ
そんみょんひ ならが
ぬっち あんけ
ちゃりえ たっぎるる

君のもとに
鮮やかに飛んでいく
遅れずに
そこに届きますように

I’ll be there
홀로 걷는 너의 뒤에
Singing till the end
그치지 않을 이 노래
아주 잠시만
귀 기울여 봐
유난히 긴 밤을 걷는
널 위해 부를게

I’ll be there
ほろ ごんぬん のえ でぃえ
Singing till the end
くっちじ あぬる り のれ
あじゅ ちゃんしまん
くぃ ぎうりょ ぶぁ
ゆなに きん ばむる ごんぬん
のる うぃへ ぶるるげ

きっと君のもとに行くよ
ひとりで歩いている君の跡を追って
最後まで歌い続けるよ
終わらないこの歌を
ほんの少しのあいだ
耳をすませてみて
とても長い夜を歩いている
君のために歌うから

또 한 번 너의 세상에
별이 지고 있나 봐
숨죽여 삼킨 눈물이
여기 흐르는 듯해

っと はん ぼん のえ せさんえ
びょり ちご いんな ぶぁ
すんじゅぎょ さんきん ぬんむり
よぎ ふるぬん どぅって

もう一度、君の世界に
星が散っているみたい
息を殺してこらえた涙が
ここに流れてるみたい

할 말을 잃어 고요한 마음에
기억처럼
들려오는 목소리

はる まるる りろ こよはん まうめ
きおくちょろん
とぅりょおぬん もくそり

言葉を失った静かな心に
記憶と同じように
聞こえる 声

I’ll be there
홀로 걷는 너의 뒤에
Singing till the end
그치지 않을 이 노래
아주 커다란 숨을 쉬어 봐
소리 내 우는 법을 잊은
널 위해 부를게

I’ll be there
ほろ ごんぬん のえ でぃえ
Singing till the end
くっちじ あぬる り のれ
あじゅ こだらんすむる しお ぶぁ
そり ね うぬん ぽぶる りじゅん
のる うぃへ ぶるるげ

きっと君のもとに行くよ
ひとりで歩いている君の跡を追って
最後まで歌い続けるよ
終わらないこの歌を
めいっぱい息を吸ってみて
声を出して泣く方法を
忘れてしまった
君のために歌うから

(다시 걸어갈 수 있도록)
부를게
(다시 사랑할 수 있도록)

たし ころがる す いっとろく
ぶるるげ
たし さらんはる す いっとろく

また歩き出すことができるように
歌うよ
また愛することができるように

Here I am
지켜봐 나를 난 절대
Singing till the end
멈추지 않아 이 노래
너의 긴 밤이
끝나는 그날
고개를 들어 바라본
그곳에 있을게

Here I am
ちきょぶぁ なるる なん ちょるで
Singing till the end
もんじゅじ あな い のれ
のえ きん ばみ
くんなぬん くなる
こげるる どぅろ ばらぼん
くごせ いっするげ

僕はここにいる
見守っていて、僕を
僕は絶対
歌うのを最後までやめない
止むことのないこの歌を
君の長い夜が明けるその日
顔を上げて見えた場所に
かならずいるから

누구를 위해 누군가
기도하고 있나 봐
숨죽여 쓴 사랑시가
네게 들렸으면 해

ぬぐるる うぃへ ぬぐんが
きどはご いんな ぶぁ
すんじゅぎょ すん さらんしが
ねげ とぅりょすみょん へ

誰かのために誰かが
祈っているみたいだ
息を殺して書いた愛の詩が
君に届いて欲しい


Credits

Lyrics아이유
Composed이종훈
Arranged홍소진, 적재
Drum김승호
Bass최인성
Guitar적재
Piano홍소진
Special Chorus by하동균
Recorded by손명갑@KakaoM, 정기홍@Seoul STUDIO, 이창선@Prelude STUDIO
Assisted by최다인@Seoul STUDIO
Mixed by손명갑@koi STUDIO

あいゆがそるりをイメージして書いた曲「복숭아(桃)」があります。

この曲は、あいゆの「二十歳の春」というアルバムの先行配信シングル(デジタルのみ)だったと思います。

追記:デジタルのみじゃないです。音盤化されてます。ていうか家にCDがありました。記憶力が終わっております…。

そるりをひと目見れば誰でも、彼女を「桃」と言いたくなる気持ちがわかると思います。私はこの曲が出たときは、すぐにはそるりの曲だと知らなかったけど、かわいくて安心するようなこの歌を何回も何回も聴いていたのを覚えています。

「結婚」という言葉が出てくるので、おそらく女性→男性の曲なのかな、と思うけど、確かにこれはあいゆが「そるりをイメージして書いた」曲であると明言されています。

そるりはとびきりかわいくて、綺麗で、繊細で、セクシーなことに加えて、それを「守ってあげたい」みたいな感覚はちょっと遠いイメージの女性です(あくまで私にとっては)。f(x)のメンバーはそれぞれが自分の個性や魅力を理解し、独立している女性たちです。そるりもそうで、「かわいくて綺麗なSulli」というポジションは守っていながらも、だから誰に依存するとか、誰かのおかげで輝くとか、そういうのは無い。ただかわいい綺麗なSulliとして、純粋にそこにいる。

たぶんだけど、そういうそるりの自立している強さ(という言葉は何だか違うような気がするのだけど、こうしておきます。「ハンサム」とも言われていたような)を、結婚すべき相手とか、恋人とか、そういうものと重ね合わせたのかな。同性の友達って、特別な存在ですよね〜。

そういえば近年の宇多田の歌も、母親と息子と、恋人と友人(たぶん特別な関係の)を重ね合わせているような歌詞が多くて、それに近い感覚のかなって思ってます。

何言いたいのかわかんなくなってきた。スングァンとスングァンの大切な人が、傷付けられずに、スングァンが好きだと思った人と添い遂げられるような世の中であれ、と常に願っています(もちろん、誰とも添い遂げなくても、何だっていいのですが)。


もはやセブチ関係ないのだけど、今年カムバックしたSHINeeが、あいゆのYouTube番組「IUのPalette」に出ていました。デビュー時期も年齢も近いのに、あんまり共演したことないよね〜と、和やかに話しているのがかわいい。

お互いの歌を交換して歌うコーナーで、SHINeeが選んだのは「Dear Name」。「この曲すごい難しくない!?笑」とあいゆが言う通り、難しいらしいこの曲を、SHINeeらしく歌い上げる4人。

有名ですがこの曲は、セウォル号の事故で亡くなった方への追悼の意をあらわしたもの。その曲を、この4人が歌う意味というのを、心の奥深くで噛み締めざるを得ませんでした。

「もし私が男性だったならば、オニュのような歌い方をする歌手になりたい」「飾り気の無い声が、すとんと心に届く」と語るあいゆ。その気持ち、めちゃくちゃわかるよ〜。そのオニュの声で、表情で歌われる(というよりオニュという人間が奏でる、と言った方がいいか…)Dear Name、人生に残る歌唱です。ありがとう〜。


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